一般外来および専門外来
当院では一般外来と専門外来とに分かれた診療を行っています。
月曜から土曜日の午前中(9時から12時)と水曜日を除く午後(3時から6時、ただし土曜日のみは1時から4時)に一般外来を行います。
一般外来の予約については、特別に時間のかかる検査以外にはとっておりません。診療に必要な検査はできるだけその日に行うように努めています。
一般外来の患者さんの中で、より専門的な診療を受けた方がよい方には専門外来を用意しています。通常の一般外来を受診していただいたのち、それぞれの専門外来を予約することになります。
◎一般外来(予約不要)
当院院長 渡辺聖が担当しています。
第2・第3火曜日の午後は佐藤眼科医院 院長 渡辺英臣医師が担当しています。
◎網膜・硝子体外来(1か月に1回:院長診察後予約対応しています)
倉敷成人病センター 眼科部長 岡野内俊雄医師が担当しています。
黄斑変性症や網膜前膜、そして重症の糖尿病網膜症などを予約診療しています。
◎弱視・斜視外来(不定期:要予約)
佐藤眼科医院 会長 渡辺好政医師と当院院長 渡辺聖が担当しています。
手術をしない近視治療
子供の近視が増加の一途をたどっています。コロナ禍による屋外活動時間の減少、屋内活動時間の増大や、スマートフォンやタブレット使用時間の劇的な増加がその要因と言われています。現在小児の近視進行抑制に効果があると認められている4つの方法があります。それぞれ作用機序は異なりますので、並行して治療を行うことで効果が増大することが期待されています。
近視進行を抑制する4種類の有効な方法
①低濃度アトロピン点眼
②クロセチン内服
③バイオレットライト
④オルソケラトロジー
これらを組み合わせることで効果が期待されていますが、眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合には、紫外線カットのレンズの働きによりバイオレットライトの効果が減弱するため、作用機序の似ているクロセチンの内服も検討することがよいと思われます。
近視の進行しやすい時期により有効な方法をとることで、お子様の近視進行が抑制されることが期待されています。詳細は担当医師にご相談ください。
■近視進行を抑制する目薬
①アトロピン
低濃度アトロピンを使用することで、眼軸長の伸長を有意に抑制することができます。濃度が高い方が効果はありますが、急に使用を止めてしまうとかえってリバウンドが増加することが懸念されています。0.01%の濃度で抑制効果が十分でなかった場合には、0.025%の濃度のものが用意されていますので、使用方法は医師にご相談ください。
■クロセチン配合の近視進行抑制サプリメント
②クリアビジョン
眼軸長の伸長を抑制するためのサプリメントととして開発されました。屋外活動(2時間以上)により近視抑制遺伝子の一つ「EGR1」が活性化されることが報告されています。慶応大学医学部眼科学教室近視研究チームにより、クロセチンが群を抜いて「EGR1」を活性化することが分かっています。このクリアビジョンはクロセチンを7.5mg配合し た小さなソフトカプセルです。
■眼軸長の伸びを抑制する光
③バイオレットライト
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右の資料のように1日2時間(週14時間)以上の屋外活動で、家族的に近視のある家系もそうでない家系も、近視になる割合が減少することが報告されています。これは紫外線より少し波長の長い紫の光(バイオレットライト)が網膜神経節細胞に存在しているオプシン5を介して、近視抑制遺伝子「EGR1」を発現し、その働きで脈絡膜厚が増加することにより近視進行が抑制されることです。これも慶応大学医学部眼科学教室近視研究チームにより報告されています。
バイオレットライトのみを選択的に透過する眼鏡レンズや自光式の眼鏡フレームなどが開発されつつあります。
■寝ている間に近視矯正
④オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは専用のコンタクトレンズを就寝中につけて角膜の形を変えることで視力を改善させる、手術をしない近視矯正法です。
オルソケラトロジーはこんな方にオススメします
- 軽度・中等度の近視の方
- スポーツを裸眼でしたい方
- 日中メガネやコンタクトレンズをつけたくない方
- 日中点眼薬を使用する方
- 近視の進行を抑制したい方 など
オルソケラトロジーの特徴
日中裸眼で生活できます
日中コンタクトレンズを使用しないので、どんな目薬も使用できます。
スポーツ時にメガネやコンタクトレンズが不用になります。
装用をやめれば角膜形状は元に戻ります
レーシック(手術)と異なり形状が元に戻るので目に合わなくても、中止して2週間程度で元にもどるので安心です。
慣れるまで多少お時間が必要です
形状が安定するまでに1週間から1ヶ月かかります。
オルソケラトロジーで視力が改善するしくみ
近視・近視性乱視は焦点が手前にありピントが合わずぼやける。 | 特殊なレンズ形状により角膜をピントが合う状態に矯正します。 | 外した後も角膜の形状が維持され裸眼で過ごせる視力になります。 |
白内障手術及び翼状片手術など
当院では日帰り手術で、白内障手術や翼状片手術などを行っています。火曜日の午後に手術を行いますが、事情によりその他の日に手術日を設けることもあります。
◎白内障手術
当院の白内障手術は超音波白内障手術及び眼内レンズ挿入術を行っています。手術は点眼麻酔と、少量の浸潤麻酔とで行い、手術はおおよそ15分程度で終了します。手術後にはリカバリールームでしばらく安静にしてもらい、落ち着いた段階で帰宅していただきます。
◎翼状片手術
翼状片手術は術式を工夫することで、特殊な薬剤やある種の放射線治療を行うことなく再発を予防しています。時間は白内障手術よりは少しかかりますが、痛みも少なく、回復状態も良好です。
白内障手術には人工の眼内レンズを使用します。術後にはそのレンズにより焦点の合う部分が増え、眼鏡なしでもかなりの範囲が見やすくなります。(挿入する眼内レンズの種類により、焦点の合う範囲に違いがあります。下記の眼内レンズの項をご参照ください)
また人間の目には距離の要素だけではなく、乱視の要素もあるため、乱視度数が強い場合には、通常の眼内レンズだと視力に影響が出てきます。現在、乱視矯正の可能な眼内レンズも用意されていますので、乱視を眼鏡で矯正されている方は術後かなりの程度まで補正することができます。あわせて眼鏡なしの裸眼視力も良くなります。
現在この乱視矯正が可能なレンズは、健康保険適応の「単焦点眼内レンズ」と健康保険適応外の「多焦点眼内レンズ」「3焦点眼内レンズ」から選択できます。
一生に一度の白内障手術で後悔しないためにも最適な眼内レンズをお選びいただくことはとても重要です。
単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは通常の医療保険適応のレンズで、遠方か近方のいずれか1つにだけ焦点が合います。そのため眼鏡なしで自動車の運転ができるよう遠くに焦点を合わせた場合、読書などの近くを見る時に近用眼鏡が必要となります。
またこのレンズには乱視矯正が可能なタイプもあるので、遠方か近方のいずれかをはっきりと見たい場合に最適な眼内レンズといえます。
単焦点眼内レンズの種類と見え方
多焦点眼内レンズ
複数の距離に焦点が合う多焦点眼内レンズには、2焦点と3焦点の眼内レンズがあります。
遠方と近方の2つに焦点の合う2焦点の眼内レンズでは、近方として設定する距離は、50cm・40cm・30cmの中から選択することか可能です。ご希望に適したタイプを使用しますが、厳密には読書とパソコン作業の両方にぴったりと合わせることはやや難しいタイプのレンズです。
2020年4月から、このレンズは選定療養対象になっています。通常の白内障手術の自己負担額(3割負担の方で片眼約6万円)に、多焦点眼内レンズに係る費用を選定療養費としてお支払いいただくことになりますが、全額が自費診療ではないので、大幅に負担が軽くなっています。
また、最近では焦点を複数持つのではなく焦点の範囲を広げた焦点拡張眼内レンズや、さらに遠方から手元まで連続的に焦点が合う連続焦点型眼内レンズも選べるようになりました。
現在、多焦点眼内レンズには乱視矯正機能のあるタイプが少ないので、遠くを見る際には乱視用の眼鏡が必要になる場合があります。
当院推奨の多焦点眼内レンズのFINEVISION(ファインビジョン)レンズには乱視矯正が可能なタイプもあります。
ライフスタイルに合った眼内レンズを選択することで見え方の質が向上し、術後の生活の質も高まることが期待されます。
多焦点眼内レンズの種類と見え方
FINE VISION(ファインビジョン)3焦点眼内レンズ
3焦点眼内レンズとして当院で使用しているFINEVISION(ファインビジョン)レンズは、ベルギーのPhysIOL社から2011年に発売された、遠方・中間・近方の3つに焦点の合う眼内レンズです。遠くから近くまでほとんど切れめなく見えるため、より自然な見え方に近いレンズといえます。またこのレンズには乱視矯正が可能なタイプもあるため、通常の生活の範囲では、ほぼ眼鏡なしに過ごすことができます。
ただしこのレンズは先進医療の対象外のレンズとなっているため、手術前の検査と手術、そして術後の検査と投薬がすべて自由診療となります。
手術費用は乱視用を両眼に使用した場合、片眼594,000円、両眼1,188,000円(いずれも消費税10%込)となります。乱視補正機能なしのタイプを使用した場合には、片眼575,300円、両眼1,150,600円(いずれも消費税10%込)となります。このレンズも特殊なタイプのレンズであるため、乱視矯正の有無を除き、両眼同じタイプのレンズを使用することを基本と考えてください。
コンタクトレンズをつくるには
当院ではコンタクトレンズを取り扱っています。初めての方にも着脱練習を行っていただき、自分でできるように指導しています。
各種コンタクトレンズの取り扱いがありますが、それぞれの特徴と各レンズのメリットとデメリットを説明し、その方の眼にあったタイプを処方するように心がけています。
なおコンタクトレンズは高度医療機器に相当するため、安全性確保の面からコンタクトレンズの処方箋の発行は行っておりません。
(コンタクト作成希望の方は、受付終了の30分前までにお越しください。)
診療の流れ
- 受 付
- 受付でその日の訴え(目がかゆい、視力が下がった、糖尿病の眼底検査希望など)をお聞きします。
- 検 査
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院長の指示により内容に応じた検査を実施します。
検査項目の種類により、診察の順番が受付時間とは多少前後することがありますのでご了承ください。
- 診 察
- 診察は検査結果の画像や数値を電子カルテ上で参考にしながら行われます。患者さん用にもモニターが準備されており、検査結果や診療内容について詳しい説明が行われます。その際医師の説明が途切れないように、電子カルテの記入専任者(医療クラーク)を配置しています。
- 処 方
- 点眼薬やよく使われる内服薬の処方は院内処方で行われています。そのため会計時に処方薬もいっしょに受け取ることができ、手間がかからず、安心に薬を受け取ることができます。(あまり使われない薬や小児の体重別に調整する内服薬が処方薬に入る場合には、その日の処方がすべて院外処方になることもあります。)
- 会 計
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電子カルテシステムを使用しているため、診察終了時に診察・検査・処方薬の会計がいちどに送信されます。そのため処方薬の作成時間を除き、会計時にあまりお待たせすることなく会計作業が終了します。